今まであまりどんなことを学んでいるかを具体的にお話ししていなかったので、今回はざっくりと授業風景をお伝えします。
大学は本当に落ち着く場所で、今の所サンフランシスコ内で最も好きなカフェは学内のカフェです。今週はある教授が作ったトリュフ型のお菓子がバレンタインデーのプレゼントのような包みに入って売られていて、とっても不思議な味(たぶんラベンダーの風味)でした。
1. ライティングクラス
英語圏の大学だとおそらく必ずあるライティングのクラス。英語の論文の構造や効果的な読み方...という通常の内容のみならず、このクラスの特徴はどれだけ内省できるか、自分のコンパッションとアカデミックな議論をどうバランスのとれた形にするか、などに重きを置いているところです。担当の先生はいつもポータブル・アルターをクラスに持ってきてくださって、授業は数分間の瞑想から始まります。授業内で書く作業がある時の終了の合図はティンシャというとってもシャンティなクラスです。この授業の先生だけでなく、他の多くの大学の先生は、勉強を何かしらの形で儀式化しなさい、とよく指摘します。この授業の学期末の提出物は、先輩か教授に書き物をするときの「儀式」をインタビューしてまとめるというものです。
2. コーチングクラス
私の修士課程のメインであるクラス。先週までは、Enneagramという、9つのタイプのパーソナリティについて学んでいました。はじめは「心理テストみたいだなあ」と懐疑的だったのですが、とても多くの発見がありました。人それぞれの性格がある、ということは私たちが小さいときから言われていることですが、この理論では自分の思考の癖をクリアに自覚すること、そして他の人の思考パターンも理解することができるので、人によってこんなにも思考回路が違うのか!と初めて強烈に実感できました。私の場合、どれだけ自分の思考回路に無自覚かつ勘違いをしていたかが分かりました。なぜかというと、タイプを判断するためのテストを受ける前は結果として出たタイプとは違うタイプだと強く確信していて、結果には疑いを持っていたにも関わらず、授業を受けて深く、客観的に学ぶうちに結果として出たタイプであることを納得できたからです。自分の発見だけではなく、それぞれの人たちの内側で日々どんなことが起きているのか、どんなことをしたらその人の成長に繋がり、どんなことをされるとその人は深く傷つくのか、などを話し合うことができたのはとっても貴重な機会でした。
3. ストレスマネジメントクラス
いつも簡単なヨガや呼吸法から始まるクラス。今はストレスがどのような仕組みで私たちに影響を及ぼすのかをコツコツと学んでいます。胃腸の不調や頭痛や不眠、喘息などだけではなく、ガンや妊娠・出産に関わる問題、腰痛、怪我(!)、アレルギー、心臓病、肥満、などなど、ほぼ全ての不調はストレスの影響を少なからず受けていることを実感させられます。不思議なことなのですが、よくムケーシュ先生がおっしゃっている「身体の問題は大きな問題ではない」ということが、who am I?を探求するのとは別の形で肚に落ちています。精神的なものがどのような仕組みで身体に影響を与えているかを知ることで、身体の不調を冷静に捉えることができるような気がします。知識があれば、例えば頭痛が起きたときに痛みを抑え込もうとするのではなく、より根本的な原因を探るという行為を選択できるからです。先週宿題としてYou Tubeで観たストレス研究に関するドキュメンタリー映像で、ストレス由来の不調の解決の1つには、「たくさんのことをこなしていることがえらい」という価値観から「平和で調和的に生きていることが素晴らしい」という価値観にシフトすることであると言っていたことが印象的でした。
4. 解剖学、生理学
元お医者さんで現在は自然療法家の先生が担当しているクラス。すごくロックな女性で、初回の授業はBurning ManというとってもLove & Peaceなイベントに参加していたため休講でした。彼女の骸骨くんはスカーフを巻いていて、先生は彼の肩を組んだりしながら骨の説明をします。宿題は解剖学のテキストもあれば、ハーブティー作りやひまし油マッサージなどもあるエキサイティングな授業です。次回は鍼や漢方などのプラクティショナーがゲストでいらっしゃるそうで、楽しみです。
こうしてダラダラと思っていたことを書く機会がとてもありがたいです。
正直なところ、英語が母国語ではない生徒として難しいことや移住者として難しいことで気持ちがいっぱいになりがちなときもあります。学ぶことが楽しくて感謝の気持ちがたくさんあるということを表現できて今は嬉しいです。
写真は大学の5階と"Zen Garden"という屋上の間の階段の踊り場。上半分は聖者たち、下半分はサンフランシスコの絵だと思います。
Mukti